森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「グァ、グォ!」

 威嚇するような声ともちょっと違う、でもイラついているような鳴き声で熊は鳴いた。

 何かを訴えるような必死さが、伝わってくる。

 あまりの迫力に、エディは悲鳴を上げた。

「ひっ!」

 反射的に身を引くと、怯えたリディアがエディの腕を引っ張った。

 熊の鳴き声に恐怖のリミッターが振り切れてしまったらしい彼女は、顔が真っ青になっている。

「クァ、クァ、クァ」

 エディは、熊のこの鳴き声を知っていた。

 幼い頃、祖母と魔の森の入り口で聞いたことがある。
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