森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 けれど、事はすでに始まってしまったのである。

 ジョージが出来るのは、手助けをすることだけ。

 覚悟を決めるように、ジョージは眼鏡を押し上げた。

「あなたに恋をした魔獣がいます。名前は、ロキース」

「ロキース」

 その名前を聞いて、エディは変な名前だと思った。

 ロキでもなく、キースでもなく、ロキースなんて、なんか変。

 そして、呼びづらいなとも思った。

「えっと、念のために聞きますけど。その獣人さんは、僕を男だと思っているのですか? それとも、女?」

 男だと思っていたら、申し訳ないことこの上ない。

 エディがどんなに頑張ったところで、その恋が叶うことはないのだ。
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