森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
(え……まさか、その熊の獣人さんが、僕の相手なの⁈)

 エディの驚いたような顔を見て、熊の獣人はしゃがみ込んでソファの後ろへ隠れてしまった。

 ソファの裏からは、ボソボソと「怖がらせてごめん……」と聞こえてくる。

 大きな体に似合わず、随分と小心者らしい。

 ジョージが呆れたような顔をして、ソファの裏を覗いている。

「ロキース。少しは格好良くしないと、嫌われてしまうかもしれないぞ?」

「そっ、それは困る!」

 ロキースと呼ばれた熊の獣人は、慌てて立ち上がった。それから、ゆっくりとソファの後ろから出て来る。

 熊が怖いと言った後だからか、丸い耳は怯えたように伏せられていた。
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