森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「あの、ごめんね? 熊が怖いとか言っちゃったから、そんな風になっているのでしょう? あなたのことは怖いと思っていないから、怯えないでくれると、嬉しい」

 エディが怖がらせないように出来る限り優しく微笑んでみせると、ロキースは酒に酔ったようにトロリと目を潤ませた。

 フワフワと引き寄せられるようにエディのそばへ歩いていくと、まるで姫に忠誠を誓う騎士のように跪く。

 近づいた視線に、エディの心臓がドキリと脈打つ。

 だって、まるでお伽噺みたいだったから。

 お姫様に憧れているわけではないはずだったけれど、実際にされるとときめかないわけがない。

 近くで見たロキースの目は、蜂蜜みたいな淡い黄色にほんの少し緑を混ぜたような色をしていた。

(不思議な色……)

 ずっと見ていると吸い込まれそうなくらい、ロキースの目は綺麗だ。

 まじまじと見つめ返すエディに、ロキースも真摯に見つめ返す。
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