森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 体の奥底まで沈み込んでくるような声で愛を請われたら、好きにならずにはいられない。

(ああ、これが──)

 これが、ジョージの言う好みドンピシャというやつなのだろう。

 リディアがコロリといってしまったのもよく分かる。

 だって、目の前で跪く男は、本人でさえ知らなかったエディの好みそのものだった。

(僕にも、好みなんてあったんだ?)

 驚きである。

 女を捨てて五年。

 リディアが言うように、お伽噺が好きだったり、恋に憧れたりと、捨てきれていない部分も多いが、それでも異性にときめくことなんて一度だってなかった。
< 68 / 390 >

この作品をシェア

pagetop