森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 ロキースは、壊れそうに小さな手からそっと手を離した。

 それから、ゆっくりゆっくり、殊更慎重に手を持ち上げて、エディの頭の上へ到達する。

 よく、頑張ったな。

 そんな想いを込めて、ロキースはエディの頭を優しく撫でた。

 サラサラの髪は、絡まることなくロキースの指の間をすり抜けていく。

「そうか……俺は……蜂の巣を探すのが、得意だ」

 エディは突然頭を撫でられて、わけが分からなかった。

 それでも、その手に悪意なんて微塵も感じられなくて、どうしてかジョージが生暖かい眼差しでウンウンと納得するように頷いているものだから、よくわからないなりにおとなしくしていた。
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