森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される

 森守の仕事に休みはない。

 開け放たれたままの防護柵の扉から、いつ何時(なんどき)魔獣が侵入するか分からないからだ。

 魔獣が侵入すると警鐘が鳴る仕組みになっているが、寝ていてはすぐに対処できない。

 そのため、ヴィリニュス家の人々は、二十四時間、必ず誰かが見張りに立つきまりになっている。

 夜の見張りは、もっぱらエディの担当だ。

 たまに兄のレオポルドが立つこともあるが、彼には可愛い妻がいるのである。毎夜というわけにはいかない。

 両親は夜に活動出来るほど若くはないし、病弱な弟は論外である。

 必然的に、夜の見張りが出来るのはエディだけということになる。
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