森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 いつか誰かの唯一無二になりたいと願っている彼女には、その想いを無碍にすることなんて出来ない。

 それが何を意味するのか、少し突き詰めれば答えがすぐに出ることは、なんとなく分かっていた。

 だからエディは、努めて考えないようにしていた。

 彼女の決めた道に、その道は有り得なかったからだ。

 頭を振ったエディを、ルタは不思議そうに見つめている。

 エディは「なんでもない」と呟いて、好きでもない紅茶を飲み干した。

「話せないわけじゃない。話す機会がないだけ」

「ふふ。もしかして、誤魔化そうとしている?」
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