森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
(リディアは可愛いなぁ)

 彼女なりに、ルーシスを大事にしているのだろう。

 誰かに取られまいと、もしかしたらエディからも遠ざけているのかもしれない。

(それはそれで寂しいことではあるけれど……まぁ、上手くいっているのなら、それでいいや)

 無事に両思いになって、ルーシスが獣人から人へと変化すれば、安心するだろう。

 そうなれば、リディアは堂々と彼のことを両親に伝えるに違いない。

 エディは、その時にロキースのことを紹介すればいいやと考えた。

「僕の話はどうでもいいじゃないか。それより、僕は仕事中だから。ごめんね。お茶、ありがとう。ご馳走さまでした」

 物言いたげなルタにティーカップを返して、エディは毛布をかぶり直した。

 蓑虫みたいになって魔の森の監視に戻ってしまった彼女に、ルタは「つまらないの」と言って戻って行った。
< 95 / 390 >

この作品をシェア

pagetop