殺戮学園
「命がけの鬼ごっこって、どういう発想だろうなんだろう?

ちょっと変わった人だよね」


「真美はこんなときまでおっとりしてるよね。

こんなことを校内放送で話す奴って、変わってるんじゃなくて頭がおかしいんだよ。

だいたいさ、本気で鬼ごっこをしてる中学生なんていると思う?

馬鹿馬鹿しい話だよ」


「そうだね。

理恵の言う通りだよね。

命がけの鬼ごっこなんてあるわけないよね」


「当たり前でしょ。

そんなことって、このクラスにネオジャパンの滝本君が転校してきて、私に告白してくるくらいあり得ないよ」


「そうだね。

今のたとえ話ですごく納得できたよ」


真美がそう言って笑うと、理恵は小さくため息をついていた。


理恵は命がけの鬼ごっこがあり得なさを自虐ネタで説明したことに憂うつになっているみたいだった。


理恵のアイドル好きは真美の三倍凄かった。


とっても美人な理恵なのに、リアルな恋話は少しもない。


それはきっとアイドルに本気で恋しているからに違いなかった。
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