殺戮学園
「特別にヒントをやるぞ!」


小又兄が不気味に笑ってそう言った。


「オレのあだ名は一つじゃないから、どれを当てても正解にしてやるぞ!」


「さすが兄ちゃん!

めちゃ優しい!」


「そうだろ、良雄。

グヘッ、グヘへへッ」


「あだ名が一つじゃないとしても、そんなのすぐに答えられないよ。

その答えに、自分の命がかかっているんだから」


理恵はつぶやくようにそう言って、小又兄弟の残忍さを憎んでいた。


「逃げよう」と、真美に言っていた理恵も、陽子がどうなってしまうのかを知りたくて、その場から逃げることを止めていた。


そんな理恵と真美の行動は、生きるという動物的な本能から、かけ離れた行為であった。


でも、理恵と真美はまるで何かに取り憑かれたかのように、小又兄弟と陽子を見つめていた。


陽子に助かって欲しいと願いながら。
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