殺戮学園
【僕たちは夢野学園に呪いをかけます。

夢と希望が溢れるこの学園を恐怖と絶望で支配します。

呪いの発動条件はこのタイムカプセルが開かれること。

そのとき、僕たち兄弟は夢野学園に現れるでしょう。

圧倒的な強者になって。

夢野学園の生徒を殺すために】


(いじめられっ子が書いた中二病的な手紙……。

だけど、気味が悪い……。

こんな手紙読まなきゃ良かった)


香織はそんなことを考えると、読み終えた手紙をぐちゃぐちゃに丸めて、握りしめた。


今読んだばかりの手紙のせいで、香織はさっきまでの上機嫌がウソみたいに憂うつになっていた。


他人の悪感情は伝播する。


早く気持ちを切り替えなくちゃ。


香織はそんなことを考えながら、シャベルで掘った穴を埋めた後、花壇に背を向け、歩き始めた。


でもそのとき、誰もいないはずの香織の後から、なせだか男の声がした。
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