殺戮学園
「何で?

校庭の真ん中に見えない壁がある……。

こんなことって、本当にあるの?」


いつも強気な理恵が想像の枠を越えた出来事に戸惑っていた。


小又兄弟の呪いは時空を歪めるほどの力があるのだろうか?


だとしたら、この見えない壁を突破できる方法なんてないのだろうか?


このままでは夢野学園の全生徒が、夢野学園を出られずに小又兄弟に殺される……。


そんな最悪の未来が真美の頭の中をよぎっていた。


そして、理恵と真美が校庭の見えない壁の前で何をして良いかわからないでいるときに、背後から男子生徒が二人に声をかけてきた。


「お前たちもここまで逃げてきたのか。

無事で良かった。

心配していたんだぜ」


その声に理恵と真美が振り返ると、そこには徹が立っていた。


いつもは理恵に憎まれ口ばかり叩いている徹だけど、そのときの本当に理恵を心配していた。
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