殺戮学園
「おい、でくの坊!

オレがお前をぶち殺してやる!」


しだいに雨は強くなり、大きな雨粒が校庭に打ちつけていた。


今から桐野悟と小又兄の殺し合いが始まる予感がする中で、小又弟が兄に話しかけた。


「兄ちゃん、僕がそいつをぶっ殺すよ。

兄ちゃんは何もしないで見ていて。

僕があいつに自分の弱さをわからせてやるから」


小又弟がそう言ったとき、桐野悟の顔つきが変わった。


(夢野学園最強と言われているこのオレが、こんなチビでヒョロヒョロのガキに殺されるだ?

このガリガリヤローは痩せすぎていて、まるで死神みたいな顔をしていやがる。

そんな死に損ないが、オレに勝つなんて、冗談でも許さねぇ!)


小又弟の小柄で痩せている体型を見る限り、普通の中学生にも勝てるとは思えない。


そう思うと、悟は余計に腹が立った。


(こんなヤツ、ワンパンでぶち殺す!

オレはケンカ最強、桐野悟だ!)
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