殺戮学園
「僕の武器はこれだよ」


小又弟はそう言って、刃渡り20センチほどのナイフを見せた。


そのナイフは小柄な小又弟の体型と比べると大きく見えた。


そしてそのナイフの刃先は血で赤く濡れていた。


それは小又弟がそのナイフで人を刺している証拠だった。


「ヒョロヒョロのクソガキが、ナイフを持ったらこのオレに勝てるつもりかよ!

後悔しても遅いからな!

後悔した頃に、お前は死んでる!」


悟はそう叫ぶと小又弟に殴りかかった。


悟の鋭い左のジャブが小又弟の顔面に真っ直ぐに向かっていく。


そしてその左ジャブが小又弟の顔面にきれいに決まり、次の瞬間、悟は必殺の右ストレートを振り抜いた。


バチン!


大きな衝撃音と共に小又弟の小さな体が弾け飛ぶ。


小又弟は雨でドロドロになっている校庭に仰向けに倒れ、口から血を流していた。
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