殺戮学園
「グヘッ、グヘヘヘッ。

あいつ、武器を出しやがった。

良雄を殺すつもりだ。

グヘッ、グヘヘヘッ」


小又兄はこの命がけの戦いの場面を見て、笑いながらよろこんでいた。


「兄ちゃん、あいつのこと殺してくるね」


「いいぞ、良雄!

ぶっ殺せ!」


兄の言葉を聞いて、小又弟がニヤリと笑った。


そして、小又弟はジリジリと悟の方へと近づいていくと、急にスピードを上げて悟の懐へと飛び込み、右手に持ったナイフを悟の胸へと突き出した。


(速い!)


悟は豹変した小又弟の動きに驚き、のけぞりながらナイフをかわした。


でもそのとき、小又弟が繰り出したナイフは悟のワイシャツを切り裂いて、悟のワイシャツを血で赤く染めていた。


まるで死神か病人のようにしか見えないのに、小又弟の動きは鋭くて無駄がない。


悟はそんな小又弟を強敵と認め、全力で殺すことを心に誓った。
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