殺戮学園
(よし! 刺した!)


右手に握りしめたバタフライナイフが、小又弟の胸に深く刺さった感触があった。


小又弟の左胸に刺さったこのナイフは、もしかしたら、心臓に達しているかもしれない。


だとしたら、小又弟はもうすぐ死ぬ。


残る敵はあと一人だ。


勝利を確信した悟がニヤリと笑って小又兄に目を向けた。


だけど、小又兄は相変わらず太ったその顔に笑みを浮かべて、ニヤニヤとうれしそうに悟を見ていた。


こんな状況なのに、少しも慌てない小又兄がやけに不気味だ。


悟がそんなことを思った次の瞬間、悟は突然、腹部に燃えるような痛みを感じて顔を歪めた。
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