殺戮学園
「グフッ……」


悟は悶えるような声とともに口から血を吐き出した。


そして次の瞬間、膝からゆっくりと崩れ落ちて、地面にうつ伏せに倒れ込んだ。


悟は濡れて、ドロドロになっている地面の冷たさを感じながら、小又兄弟のことを考えていた。


(何で左胸を刺したのに死なねぇんだ?

こいつら、本当に生き物なのか?

いや、そんなはずはない。

こいつらは、死人かバケモノ……)


もう動けなくなっている悟の元に小又兄が近づいき、楽しげに笑いながら大ハンマーを振り上げた。


そして小又兄はためらいなくその大ハンマーを悟の頭に振り下ろした。


グチャ!


悟の頭が潰れた音がして、悟の仲間たちは悲鳴を上げた。


その残酷な人の殺し方は、それを見ていた人たちの心を震え上がらせていた。


小又兄弟はバケモノだ。


こいつらは人じゃない。


呪いから生まれたバケモノなんだ。


恐怖にかられた悟の仲間たちが、戦う意思を放棄して、一斉に逃げ出した。


小又兄弟に捕まったら殺される。


みんなが同じことを思っていた。
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