殺戮学園

「グヘッ、グヘヘヘッ。

みんな逃げ出した！

鬼ごっこ。鬼ごっこ！」


小又兄は大ハンマーを振り回しながら、三人の男子生徒たちが逃げ出したことをよろこんでいた。


「良雄、あいつら捕まえるぞ。

捕まえて殺してやるぞ！」


「そうだね、兄ちゃん。

あいつらをぶち殺そう！」


小又兄弟は顔を見合わせて笑うと、校庭を散り散りになって逃げている三人の男子生徒たちを追いかけ始めた。


そんな命がけの鬼ごっこは、追う方と追われる方で、真剣さがまるで違った。


追いかける方は子供の遊びのように笑いながら、逃げる方は死ぬ恐怖にかられて必死だった。


逃げる三人の生徒たちは足が速い方だったが、小又兄弟はそれよりも断然、足が速い。


その足の速さは人間の脚力では説明できない。


小又兄弟はやっぱり呪いから生まれたバケモノなのだ。