殺戮学園
「真美、桐野悟が死んでる……。

校庭の真ん中で……」


「えっ?

桐野悟が……」


そうつぶやいた真美の顔が怯えていた。


夢野学園でいつも威張っていたあの桐野悟でさえ、小又兄弟には殺されるんだ……。


真美は改めて小又兄弟の恐ろしさを知り、体がプルプルと震えていた。


「どうしてこんなことに巻き込まれちゃったんだろう?

命がけ鬼ごっこなんて嫌だよ。

学校の外に行きたいよ」


真美は今にも泣き出しそうだった。


無理もない。


だって、今日は普通の一日で、いつもと同じように時間が過ぎていくと思っていたから。


こんなデスゲームに巻き込まれるなんて、少しも思ってもいなかったから。


この理不尽さを嘆いたら、キリがなく愚痴が出てくる。


でも、現状を変えるのは愚痴なんかじゃない。


自分たちはどうにかして外に出る方法を……。


理恵がそう思ったとき、ある一つのことを思い出した。


教室のバッグの中にしまっていたスマホだ。


スマホさえあれば、夢野学園の外の人に助けを呼ぶことができるのだ。
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