殺戮学園
「真美、私たちが助かる方法を思いついたよ」


理恵が弾むような口調でそう言うと、真美が理恵に目を向けた。


こんな絶望的な状況の中で、本当に助かる方法があるのかと思いながら。


「スマホだよ。

スマホさえあれば、学園の外の人に助けを求められる。

そしたらきっと大人たちが、私たちを助けてくれるよ」


「あっ、そうか。

スマホがあれば、学園の外の人と繋がれる」


「私たち、助かるよ。

生きて、この学園から出ていける!

教室にスマホを取りにいこう。

それで、警察に電話をするの!」


理恵の言葉に真美は明るくうなずき、二人は三年一組の教室に入っていった。


そして二人はスマホを手に取り、理恵が110番をプッシュして電話をかけた。


理恵はその電話にたくさんの期待を込めて、スマホを強く握りしめた。


でも、その数秒後に理恵の期待は不安に変わってしまう。


どういうわけか、スマホが繋がらないのだ。


何か嫌なことが起きている予感がして、理恵の心臓が急に早鐘を打ち始めた。
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