棺桶に接吻



「どんな味がした?」


「あまかった」



たとえるなら、蜂蜜。


おばあちゃんは、蜂蜜。



むかし、おばあちゃんは蜂に刺されたと言っていたから、きっとそのせい。



あまったるくて、おばあちゃんじゃないみたいだった。



「椿のおばあちゃんは、幸せ者だったの?」


「よくわからない」



おばあちゃんは、いつも怒ってた。


わたしを叱りつけるのが、こわくて、すきじゃなかった。


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