【完】桜色の君を抱きしめたい
「ふはははは!」

あっ...!やってしまいました。本のこととなるとつい、話しすぎてしまうんです。悪い癖です...。イケメンさんに笑われて当然です。

「ご、ごめんなさい。私....」

「謝ることないよ。君、本が好きなんだね。必死に話してる時の顔、輝いていたよ」

「そんなことないです。私はただ....。ごめんなさい...!」

夢花は恥ずかしさのあまり、図書室を出て行った。

「あんなにキラキラした顔をして語ってたのに。勿体ないな。....あれ?これってさっきの子の生徒手帳。佐伯夢花さん」

「おい、兄貴。何に下向いてニヤニヤしてんだよ?」

「ちょっとね。面白い子に出会っちゃった」

「なんだそれ?それより早く帰ろうぜ。俺、腹減った」

「分かったよ。貴斗」
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