【完】桜色の君を抱きしめたい
「そういえば聞いてなかったね」

「俺もだ。昔、何かあったのか?」

「はい。私が夢花と出会ったのは、夢花が対人恐怖症になってからですけど、その後、夢花のお母さんに聞いた事があるんです。あれは幼稚園の時...」

夢花は元はとてもヤンチャな子で、毎日ケガするまで遊んでいたそうです。その時は友達や大人でも怖がらずに話していたそうです。ある日、発表会の劇でうさぎの役をやる事になって、毎日練習をしていて本番を楽しみにしていました。そして本番当日。夢花の番がきて、ステージに上がって辺りを見渡すと、大勢の人が夢花に注目しているのに気付いて、それを見た夢花は怖くなって泣いて、劇は中止。それから夢花は人の目を見ると怖くなったそうです。
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