【完】桜色の君を抱きしめたい
「佐伯、今日はもう帰るか。暗くなってきたし」

「はい。そうします」

家までの帰り道は何も話さずに終わった。帰ってからも貴斗先輩の事が頭から離れません。寝ても覚めても貴斗先輩の事ばかり考えています。

本の内容も頭に入ってきません...。まだドキドキしています。苦しいです。

ブブブ....ブブブ......

「きゃっ!で、電話!?.....もしもし?」

『もしもし佐伯さん?凪だけど、今いいかな?』

「凪先輩!?どうしたんですか?こんな時間に...」

『うん。実はね、明日、二人で出かけないかい?どうしても佐伯さんと行きたい所あるんだけど...』

「どこへですか?」

『近所のフリーマーケットなんだけどね。掘り出し物の本がよく出てるみたいなんだ』
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