【完】桜色の君を抱きしめたい

「佐伯さん、欲しいのあったの？」

「あったんですけど、高くて...」

「俺も欲しいのいくつかあったけどとても払える値段じゃなくてね」

二人が諦めようとした時、出かけていたおじさんの奥さんが帰ってきた。

「あらあらいらっしゃい。その本買うのかい？」

「はい。でも、高くて...。」

夢花がそう言うとおばさんは凪と夢花が選んだ本を聞き、二人の手の上に置いた。

「はい。値段は...半額にしてあげるよ」

「え！？いいんですか？こんなにいい本を...」

「いいんだよ。この人、本の価値なんて分からないのに高値で売って自分のパチンコ代を稼ごうとしてただけだから。そんな本、この値段で十分。本も貰われた方が幸せだろうしね」


「ありがとうございます！」