【完】桜色の君を抱きしめたい
夢花は自分の家の方向を向いて歩き出した。凪も一度、歩き出したが、夢花の方を振り返った。

「待って...!」

「え!?凪先輩?」

凪は夢花の腕を掴んだ。夢花は驚いて振り向き、凪と目が合った。

「凪、先輩?」

何も話さないまま夢花の腕を掴んだままの凪。

「あ...。ごめん。痛かったよね?」

我に返って手を離した。

「私は大丈夫ですよ。それよりどうしたんですか?顔色が悪いですよ。私、お水買ってきましょうか?」

「いや、いい。あーもう、俺、バカだよね。変な嫉妬して...」
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