【完】桜色の君を抱きしめたい
「はぁー.....」

「佐伯さんまたため息出ているよ」

本を運びながら凪は夢花に言った。

「すいません。演劇の事を考えると気分が優れなくて....」

夢花は図書室の机に顔をつけて、ため息を繰り返していた。

「よりによって昔自分がトラウマになった物語のうさぎを演じる事になるなんてね」

「断ろうと思ったんですけど、これは克服のチャンスだと思っても引き受けたんですけど。あ、凪先輩は開校祭何やるんですか?」

「俺達三年は飲食店。そして二年は...」

スっと、図書室の隅を指さした凪。夢花は凪が指した方を見てみると体育座りをしてうずくまっている貴斗の姿があった。

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