【完】桜色の君を抱きしめたい
「佐伯さんに嘘をついてまで俺と付き合って欲しくなかった。それだけだ....」

「相変わらずお人好しだな兄貴は....。あーそうだよ。俺は佐伯の事が好きだ。兄貴と同じで、入学式の日、ここでアイツを見つけて....」

貴斗は自分の口からはもう、恥ずかしくて何も言えなくなった。

「可愛くて頭を撫でたと。ここまで来ると俺達って本当にそっくりだよな」

「そりゃあそうだろ。一日違いの双子なんだから....」

「四月一日と四月二日。日本の法律じゃ俺らは学年が一年違う事になるからな。同じ四月なのになんでこんなに扱いが違うんだろうな」

「何かの試練か?笑えもしねーや。だからアイツは寝てる時も起きている時も俺らも見間違えてしまったんだな。初めて話した時、いきなり謝れたぞ」

「それは俺のせいだ。なぁ、これからどうする?」


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