[続]小さな恋物語
「そんなにため息ついてると幸せ逃げちゃうよ。それに…」


亜依ちゃんは一旦言葉をとめるとニッコリと微笑んで、前にいる佑希を指さしながら、



「佑希も心配してるよ?
あたしはまだ白石君に近づけないって言って智流君には近づかないみたいだけど」


「佑希がそんなこと言ってるの?」


俺は情けないって思いながらも小さな呟くような声で亜依ちゃんに尋ねる。


「詳しく話を聞いちゃうと佑希も嫌がるからあまり聞かなかったけど、智流君だけ覚えてないのが申し訳ないみたいだよ」


佑希がそんな風に思ってるなんて…
ヤバイ。泣きそう。


俺が亜依ちゃんの顔を見ないようにするため顔を伏せると崇が助け舟を出してくれた。


「亜依。佑希が不安そうな顔でこっちを見てる」


「えっ? あっ! ホントだ」


亜依ちゃんは佑希の顔を見るとすぐさま佑希の方へと走っていった。



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