[続]小さな恋物語
学校から出て数十分たって俺と佑希の家であるマンションに着いた。


佑希の部屋は3階だから俺らはエレベーターに乗り込む。


エレベーターに乗ると佑希は俺の近くに行かないように亜依ちゃんの隣に居て壁側にいるため俺からはかなり遠かった。


「佑希。そんなに俺の近くがいや?」


俺の言葉にビクッと肩を上げる佑希。


そんなにも怯えんなや。そっちの方が傷つくんですけど。


「智流? どうしたんだ? 機嫌悪くない?」


崇が佑希達に聞こえないくらい小さな声で尋ねる。


「いや。ただ、こうやってからかってた方がいいかなって。前みたいにさ」


ニヤッて笑うと崇は苦笑いをした。


そう。俺が決めたのは前みたいな態度で接したら佑希も近付いてくれるんじゃないかって思ったんだ。


どうなるかわかんないけどやってみないとわからないだろ?


それにこっちの方がやりやすいんだよな。



人の様子を見て話すのは本当にやりにくい。




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