[続]小さな恋物語
「佑希の部屋。オープンザドアー」


亜依ちゃんはそう言いながら楽しそうにドアを開けた。


亜依ちゃんの言葉の後には佑希のため息が聞こえた。


それもそのはずだよな? 佑希の部屋はダンボールで埋まってたんだから。


「あれ? 亜依ちゃん? …と崇君に流華の弟君?」


この家族はまた俺をおまけ扱いして…
つか何で俺だけ名前じゃねぇんだよ。


「お兄ちゃん。今日は早かったんだね」


「佑太先輩。ご無沙汰してます」


佑希も普通に挨拶すんなってそれに亜依ちゃん! 目をきらめかせながら佑太先輩に挨拶すんな。崇が物凄い目で睨んでる。


「弟君。どうしたの? 一人ため息ついて」


佑太先輩はニッコリと胡散臭い笑顔で俺を見た。


この人絶対俺を見て楽しんでる!


「俺に用があるなら気軽に来てね? 佑希の右隣の部屋が俺の部屋だから」


そう言うと佑太先輩は自分の部屋へと戻っていった。


あれは後で来いってことだよな?


佑太先輩の背中を見てそう思った。




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