[続]小さな恋物語
俺は今、佑太先輩の部屋の前にいる。


なんでかって? それは佑希がなんで俺だけを覚えていないのかを教えてもらうため。


佑希の部屋を抜け出すためにトイレってベタなこと言って出てきたけどな。


トントン


俺は控えめにドアを叩く。


「はい?」


部屋からは佑太先輩の声が聞こえて俺はゆっくりとドアのぶを回して中へと入った。



「なんだ。弟君か」


佑太先輩はわざとらしい笑いをしながらそう呟いた。


最初からわかってるくせにわざとらしい。


「そうですけど…最初からわかってるのにそう言うのはどうかと…」



「からかっただけだ。気にするな。
ところで流華からはどこまで聞いてる?」


さっきまで笑顔だったのが急に真剣な顔になって尋ねられた。



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