[続]小さな恋物語
「もっと…白石君を、知りたいですから」


ゆっくりとした口調で恥ずかしそうに呟く。


「そっか。ありがとう。でも…」


俺は昨日から気になってたことを聞いた。


「その敬語やめてくれない?」


敬語って堅苦しくってなんだか壁を作られてる気がして嫌なんだよな。



佑希はキョトンとした顔で、


「あたしって白石君の前では敬語でしたか?」


「まず今が敬語だから」


ため息をつきながら呟くと、佑希は慌てた様子で、


「すっ、すみませんでした!」


そう謝った。


まだ敬語だけどまあいっか。


俺は一度クスリッと笑った後に佑希の方を見ながら、


「じゃあ、いこっか」


そう言うと、佑希は「はい!」って言いながら俺の隣に並ぶ。


俺は嬉しくてニコニコした顔で学校に向かったのだった。




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