[続]小さな恋物語
智流はニッコリと微笑む。


ホントはそれは辛いはずなのに…


ダメだ。泣きそう…



「車に、ぶつ…からなかった? どこも、ケガしなかった?」


なんでこの人はこんなにも人を心配するんだろう。
大怪我してるのは智流なのに。


智流らしい言葉にとうとう涙が溢れだしていた。



「うん。大丈夫だから」


そう言うと智流はあたしの涙をぬぐうとそのまま意識を飛ばした。


「智流? 智流? 智流ー」


あたしは意識を飛ばした智流を何度も呼んだ。



その時に遠くから救急車のサイレンが聞こえた。






< 56 / 65 >

この作品をシェア

pagetop