はやく俺のこと好きになってよ
「私は、壱と一緒にまわりたいな…」


そう言って壱の体に手を回す。

……一緒の気持ちだよって想いを込めて。


「…あ〜〜〜もう、お前ほんとズルい!!!!」


「へ?…わわっ!!!」


顎をグイってされて、壱の顔が近くなる。


「蒼、キスしていい?」


「はっ!?!?な、何言ってんの!?」


「ハハッ、顔真っ赤。」


う、そりゃそうでしょ…気持ち自覚したばっかなんだし!


「み、見ないで…」


「そう言われると、見たくなるんだよなぁ?」


ニヤって笑う壱。


…悔しいけど、その顔もカッコイイ…。


「なに、そんな見んなよ」


「…ばーかっ」


「なっ!!」


“お前、ばかって言ったな!”

そう言ってる壱を油断させてネクタイを引っ張る。


ぐいっ


「オワッ!!」


チュッ


私は壱のほっぺにキスをした。

これで顔赤くなってろ、ばぁか。


「じゃあ、先に教室戻ってるね。」


案の定壱の顔は真っ赤で、


「ズルすぎる…」


そう言ってしゃがみ込んでたんだ。
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