はやく俺のこと好きになってよ
*


そんなこんなでやっぱりいつものメンツは楽しくてあっという間に時間はすぎて。

…ついに、自由行動です。

右隣には、もちろん責任感の強い千尋くん。

左隣には…


「蒼、もうちょっとこっちに来い」


ぐいっと私のことを引っ張る壱がいます。


「壱、私ちゃんと仕事するから大丈夫だよ?」


そんなに私頼りないのかなぁ、

そう言うと壱は


「お前こないだの会話忘れたのか?」


「え?」


「好きな女が他の男といる方が嫌だって言ったろ?」


「あっ、そ、そういえば…」


そんな会話もしたなぁ…。

すっかり忘れてたよ、いろいろあって。
( ほとんど酔いが原因 )


「だから俺は蒼から離れねぇ。」


分かったか?

というように私の顔を覗く壱。


どの動作にもキュンとしてしまう自分がいて…

ああ、恋してるなって実感させられる。

壱はすごい。

本当に落とされちゃったよ、…好きになっちゃったよ。
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