はやく俺のこと好きになってよ

「やっぱりさ、蒼ちゃん、山本のこと好きでしょ」


…もうバレバレなのかぁ…


「…うん、好き」


そう言ったら、気持ちがスッキリした気がした。


先輩との思い出を言い訳に、逃げてきた私。

ずっと、認めたくなかった。

好きだって自覚したくなかった。


自覚したら、もう止まらないから。

好きって言いたくなるから。


でももう、無理だ。

蘭ちゃんと仲良くしている壱を見ると、胸が苦しくなる。

痛くなる。

この気持ちは…止まらない。


それに、１つ、分かったことがある。

由那と村上くんを見てきて、2人はいつも幸せそうで。

時に喧嘩する時もあるけど、それは2人とも思い合っての喧嘩で。

そういうの、良いなって思った。