はやく俺のこと好きになってよ


壱への気持ちを自覚して、何度も伝えようと思った。


だけど、壱の気持ちが蘭ちゃんの方に向いていたらどうしようとか、

ネガティヴな気持ちが勝っちゃってなかなか言えない。


「蒼、ごめん、お待たせ!!」


そう言ってクシャっと笑う壱。

嬉しくて仕方がないみたいな顔してる。

それって私が誘ったからってことでいいのかな?


「そんなに待ってないよ。食べよう?壱」


「おう!そーだ、蒼!」


「んー?どうしたの、壱?」


「今日さ、なんで蒼から誘ってくれたの?いつも俺からなのに」


「いや…え、えっと…」


「ん?なーに、蒼ちゃん?」


ニヤリという効果音がつきそうなほど壱が笑っている。


…もう。


「お腹空いてるからに決まってるじゃんか!」
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