はやく俺のこと好きになってよ



____思えば気持ちを自覚するずっと前から、壱のことを想ってたかもしれない。


最初に告白されたあの日から………。


「…壱……?」


「ん?なに、蒼」


「離れないでね…。」


「やっと手に入れたんだ。離すつもりないよ。」


「ふふっ…良かった」


そう言って壱の顔が近づいてきて………


短い…だけど一瞬時が止まったような。


そんなキスをした。



*



____“ はやく俺のこと好きになってよ ”



もうとっくのとうに好きになってたよ。



私のことをずっと想っててくれてありがとう。



そう思いながら私と壱はまたキスをした______。
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