はやく俺のこと好きになってよ
壱の電話を切って私はもうダッシュ。

目指すは及川くんのところ。

外を見ていたら、スクールバックを持った及川くんの姿が見えたんだ。


「ま、待って、及川くん!!!」


及川くんの背中が見えて、私は声を出す。


「わ、山下さん…」


げ、みたいな表情をしている及川くん。

そんな顔しなくてもいいじゃん!


「及川くん、帰るの?ってかこの時間に帰るなら競技決め参加出来たじゃん!」


「そーだね」


「っ!?わかってんなら、出なさいよ!!」


「山下さんさぁ…ウザいんだけど」


「は?」


「俺これから用事あんの。はやく行きたいんだけど。あと俺、女嫌いだから。あんまり話かけないでもらっていい?」


「……」


「それじゃ。…あ、あと、あんまりピリピリしてない方がいいよ。かわいい顔が台無しだよ笑」
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