はやく俺のこと好きになってよ
「なんできてくれないの?きっと楽しいよ?」


「ごめん。実は俺…病気なんだ…」


「え…。ご、ごめんね、知らなかった…」


「プハっ笑 ウソだよ、騙されやすいよね、ほんと」


「え、嘘?」


「嘘だって」


「わ、良かった〜〜。安心した〜〜」


私のせいで病気が悪くなったりとかしてたら嫌だったから。

安心したよ〜。


「お前、馬鹿じゃねぇの?」


「え?」


「騙されてんだぞ?普通、怒るだろ」


「あ、そっか…。でも、及川くんが無事ならこの際どうでもいいや〜」


大事なクラスメイトだもん。

1人でも欠けてほしくない。


「…名前」


「え?」


「“及川くん”じゃなくて、“類”って呼べよ、蒼」


「へ?」


「じゃないと練習出てやんねぇーぞ」


「!!」


「返事は?」


「分かった!ありがと!類!」


「おう」


そう言って類はクラスのみんなのほうへ戻った。

でもなんで名前なんだろ…。こんなことなら最初っから呼んどけばよかったな。
< 52 / 130 >

この作品をシェア

pagetop