はやく俺のこと好きになってよ
「よーーーーーっし!腹くくった!」


パチンッ


「わっ急に大きな声出さないでよ、由那〜」


顔を叩いた由那は、スッキリした表情をしていた。

…うん、大丈夫そう。


「ありがとね、蒼」


「うん!ちゃんと気持ち全部伝えてきな〜!」


ふふっ

いつもは由那がお姉さんなのに今は立場が逆転しているみたい。


「行ってくる!!」


そう言って、村上くんのもとへ全速力で会いに行ったと思ったら…


「“山本の隣って、いつでも空いてるわけじゃないと思うよ”」


私の耳元に由那はさっきの私とおんなじような事を言って

村上くんのもとへ行った。


「…真似はずるいよ〜…」


私は顔を伏せた。

壱の隣…今は私が1番近くにいるけど…

壱はいつまでも私のこと好きなわけではないのか…。


自分で言った言葉だけど、改めてそう思った____。
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