はやく俺のこと好きになってよ


蘭ちゃんもすっかりご機嫌で嬉しそうにしてる。

時々来る視線は痛いけど…。


そう思ってたら壱が口を開いた。


「……でも」


「「??」」


「立候補になれたとしても、彼女にはなれないけど。それでもいいの?」


「え?」


蘭ちゃんが戸惑いながら聞き返す。

分かんないよね、蘭ちゃん。

私も何言ってるのか意味が分からないもん!


「そ、それってどういうことぉ?」


「俺の彼女になれるの、蒼だけだから。」


「〜〜〜っ!!?」

「……」


「候補になれたとしても、彼女には絶対なれないよ」


壱……。ちゃんときっぱり言ってくれた。

なんだかんだその気持ちがすごく嬉しい。

あぁ、いいな、やっぱり。って思うんだ。

先輩の時とは違う。
< 93 / 130 >

この作品をシェア

pagetop