はやく俺のこと好きになってよ
ギュッ


壱がどこにも行かないように、袖を掴む。


他の女子が壱と仲良くして、私が知らない事が増えていくのは…

どうしようもなく、もやもやする。


あぁ、やっぱりもう無理なのかな。

この気持ちを隠し通すのは…。


「〜〜〜っ!!!」


「…ん?壱??」


「はぁ、ほんとずるい。」


「え?」


「コレ。」


壱が指さしたのは袖を掴んでいる所。


「あ、ご、ごめん!!」


慌てて袖を離したら…


「…ねぇ」


「わっ!!」


グイッと掴んでいた手を引っ張られて

私と壱の顔が近くなった。


「〜〜〜っ!!近いって!壱!!」


「ん?そう?」


「そうだよ!!」


恥ずかしすぎる!!

こんな近くで壱と目があって……!!!


「…あーキスしたい……」


「んなっ!?!?」
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