地球革命〜宇宙最大の神2人が朝日英雄と好田大血として地球に転生し、地球を改革していく物語〜
旅客機から見える風景が森ばかりになった。アゲハ「いよいよ、森が見えてきました。目的地、
アマゾン空港へ、あと15分くらいで到着します。そろそろ、荷物を整理して、降りる準備をし
てください。」英雄「やっと着いた。長かったな。結構、飛行機に長時間いるというのも辛い
ものなんだな。いい勉強になった。」ロカロ「やっと世界一の森林、アマゾンが見られるんです
ね。さぞかし、空気が新鮮で美味しいのだろうな。楽しみだ。」朝日英雄、ロカロ、チシュウ、
ジュリー、ソルキーライチは一緒に集団で動いていたが、好田大血は一人で単独で動いていた。
しかし、あまりに優秀で美形なため、常に女子に付きまとわれたりしていた。ある女子「好田
さん、バレンタインチョコ、最高どれくらいもらったことあるんですか?」好田大血「4000
個くらいかな。しかし、食べきれないから日本のホームレスに配ったりしたりしましたよ。」
ある女子「まあ、困っている人を助けたってことですよね。さすが出来る男は違いますね。」
アゲハ「ちょっと、あなた。私の好田大血さんに近寄らないでよ。」ある女子「あっ、この子
私のキャビンアテンダントの同僚なんですよ!!!うるさいよ、アゲハ。あなたなんか相手にさ
れるわけないでしょ。私こそ、好田さんにふさわしい女よ。大体、あなた英雄って子に惚れてた
んじゃないの?あきらめたの?」アゲハ「ダメだったのよ。振られたに決まってんでしょ?」
好田さん、私が会場まで案内しますからね。」好田大血「自分で行けるからご心配なく。それよ
り、キャビンアテンダントの仕事はどうしたんですか?」アゲハ「もうさっきのフライトで今日
は終わり。明日から休日に入るんですよ。」好田大血「大会が終わったら一緒にワインでも飲み
ましょう。アゲハさん。これ、私の携帯の電話番号です。」アゲハ「ありがとうございます。
この御恩は一生忘れませんわ!!!」ある女子「あ~、アゲハだけずるい!!!わたしも~。」
というように好田大血の周りは常に女子が群がっていた。同性からも人気があるので、男のファ
ンもいた。好田大血ファンクラブというものが世界的に有名であり、全世界の会員数は1500
万人を超える。一人、毎月1000円の会員料を払う代わりに、好田大血の日常が描かれたブログ
が見れたり、その会員しか買えない好田グッズなどが買えるようになる。なお、好田大血に
払われた会員料、年間1800億円で好田大血はアフリカに学校を建設したり、キレイな飲める
水を利用できるようにするために井戸を掘ったり、社会貢献に余念がない。しかし、裏の顔は
・・・。
スタッフの方が大きな声で号令を出し、闘技場へと案内し、アマゾン森林とはいえ、舗装され、
歩きやすく、移動しやすいようになっていた。とはいえ、たくさんの緑が予選通過者の心を
癒したことに変わりなかった。車もたくさん走っている。1時間ほど歩くと、東京ドームを
更にカラフルにおしゃれにした感じの丸い建物が見えてきた。屋根が開くように設計されていて
晴天の日には屋根が開かれて、それで予選通過者たちが戦闘を繰り広げるという。
すぐに待合室に予選通過者120人が案内され、対戦表が配られた。第1シードが好田大血で
あった。7回連続で勝てれば優勝ということになる。1回でも負けたら、敗退となってしまう
厳しいルールになっていた。朝日英雄は6番目に1回戦が始まる。対戦相手は「ソウルブラウン」
というやつだった。予選通過者全員に大会エントリーナンバーがあり、朝日英雄は77番だ。
明日から、1回戦が始まるので、ひとりひとり休憩室が用意されているので、早めに休憩する
ことにした。ちなみに、相手の情報集めは禁止されている。相手の対戦を見ることすら禁止
されている。自分
から近づいていって、情報を得るのも禁止されている。なるべく、初めて相手に会った時に
何も相手の情報を知らない中、どう対処するかという対処する力を計るためだ。ちなみに、
「特別審査員賞」というものがあって、たとえ戦闘に負けてしまっても、審査員に高く評価され
可能性があると判断された参加者は、敗者復活し、新たに大会に挑める権利が与えられる。
朝日英雄はひとり、休憩室で日記を書いていた。日々の感想や出来事を書く日記、思ったこと、
役に立ちそうな思考法などをノートに書くのが毎日の習慣になっていて、とてもお気に入りの
時間でもあるのだ。英雄は好田大血にすこし嫉妬していた。裏の顔はともかく、とても好青年
に見えて、拍子抜けしてしまったのだ。本当に自分が世界の王になるべきなのか?あれだけ優秀
な好田にやらせておけば間違いないんじゃないのか?チシュウから聞いた通り、本当に黒人を
奴隷にしようとしたり、悪い宇宙人たちと協力して、悪の組織、ダルメシアのトップとして
ダルメシアの勢力を強め、世界制覇を狙っているという話は正しいのだろうか?
英雄なりにいろいろと思考していた。本当に自分が3度目の救世主として世界を統一するなんて
今でも信じられない。と思っていた。すると、ロカロ「君が世界の救世主ということは間違い
ない事実だよ。実は君は・・・この全宇宙を創造した神様そのものなんだよ。だから、霊格が
全宇宙1位だったんだ。君は宇宙最大の神ってこと。死んで霊界に行けば全てがわかるよ。これ
を話すのはチシュウさんから止められているけど、自信を無くしてはこれからの大会に悪影響だ
から教えておくけど。」英雄「えっ、僕が宇宙の神だって?そんなの信じられるハズ無いじゃん。」
ロカロ「でも、本当のことなんだよ。この地球に転生するときに記憶を一時的に封印されてしま
うから、自分が宇宙の一番すごい神様だって信じられない気持ちはとてもよく分かるけど、君、
朝日英雄は好田大血と兄弟の仲なんだよ。実は、好田大血も宇宙最大の神の一人なんだ。この
全宇宙には神様が2人いたということ。その2人は兄弟で、しかもそれが、朝日英雄と好田大血と
いうこと。あの君が倒すべき男は兄弟だったってこと。好田が兄で、君が弟なんだ。」すると
チシュウが瞬間移動して現れた。チシュウ「やれやれ、知ってしまったか。しかし、いつか話す
ことになっていたからな。仕方ないか。」ロカロ「チシュウさん、ごめんなさい。」ロカロは
申し訳ない表情でチシュウに謝った。チシュウ「いや、いいんだ。しかし、英雄があまりに衝撃
な大きすぎる事実に混乱して、戦闘どころじゃなくならないか心配なだけだ。」英雄「もう、
わけわかんない。また、長い夢でも見てるのかな?アニメの世界にいるみたいだ。」チシュウ
「いずれ、知らなくてはいけない現実なんだ。もう、退くことは許されない。君はとても大きな
使命があるんだ。世界一大きな使命が。」英雄「ひとりにさせてくれ。」ロカロとチシュウは
英雄の願いを聞き入れて、英雄をしばらく一人にしてあげた。英雄「まいったな。とんでもない
ことに巻き込まれた気がするよ。」英雄は自分の正体に身震いして、怖くなった。
翌朝の8時に英雄は目を覚ました。そわそわしていたが、精神的に疲れていたので熟睡できた。
そして、部屋に暖炉があったので暖炉の木にロカロの炎の能力で火をつけたり、火事にならない
ように注意しながら戦いの準備をしていた。そして、ついに「朝日英雄」VS「ソウルブラウン」
との対戦開始10分前を通知する電話が入った。参加者全員に銀の腕時計が用意され、渡されて
いて、それで「トップ・オブ・ザ・アース開催委員会」から電話やメールなどで連絡が入るよう
になっている。英雄「闘技場の戦闘フロアへと移動してください。だとよ。ロカロ。」ロカロ
「緊張するね。」英雄はチシュウに連絡しないで、ロカロと2人で戦闘フロアへと向かった。
「朝日英雄」VS「ソウルブラウン」
戦闘フロアに入ると、すでにソウルブラウンは戦闘準備が完了していた。ソウルブラウン「
遅いな。予選1位だったらしいな。朝日さんよ。しかし、戦闘に関しては予選の成績は全く関係
ないのは分かっているよな?」英雄「いいから、早く始めようぜ。めんどくさい話は嫌いなんだ
よ。雑魚野郎?」ソウルブラウン「雑魚だって?雑魚って言ったな!!!!」ソウルブラウンは
いきなり怒りだし、突進してきた。ソウルブラウン「死ね!!!!」ソウルブラウンは光の
速さのパンチを繰り出した。しかし、朝日英雄の炎の妖精、ロカロのファイヤーガードでパンチ
はガードされた。ソウルブラウン「あちいあちいあちいあちい!」ソウルブラウンはパンチしよ
うとした手は火傷みたいになった。ソウルブラウン「炎の能力者か。」ソウルブラウンはなに
やら両手を合わせ、祈り始めた。「世界の神よ。我に栄光と力を授けたまえ。」すると、いき
なりソウルブラウンのバッグから人形が3体現れた。その人形が徐々に巨大化していき、朝日
英雄の2倍くらいの大きさになった。3体の人形は主のソウルブラウンにより魂を入れられ、
部下になっていたのだ。3体とも可愛い子供の風貌をしていた。ソウルブラウンの命令により、
武器も何も持たずに突進してきた。朝日英雄「ちょうどいい。オレの格闘技がどれだけ通用する
か、確かめてみよう。」3体の操られた人形には英雄は炎により傷つけ
たくなかったのだ。3体は英雄を取り囲むように後ろに回ったりしてきて、一斉に攻撃してき
た。武器は一切持ってない。格闘技だけで挑んできた。英雄は「防御し、攻撃を防ぎまくった。
しかし、攻撃はしない。人形を止めるにはソウルブラウンを止めなくてはならない。朝日英雄は
人形たちの攻撃をガードしながら、ソウルブラウンに近づき、炎のカミナリを放った。すると、
ソウルブラウンは防ぎきれずに、もろに炎のカミナリが直撃した。ソウルブラウンは熱さで
また悲鳴を上げた。「熱い!!!!」朝日英雄「ソウルブラウン、人形たちを止めないと、徐々
に炎の温度を上げていき、気絶させるぞ?早く人形たちを解放しろ?」ソウルブラウン「その
人形には人間の魂が閉じ込められている。俺が閉じ込めたんだ。俺は霊能力者でな。俺を気絶
させても人形を救うことはできない!!!」朝日英雄「何故、人間の魂を閉じ込めたりするんだ?」
その3体の人形たちに閉じ込めた魂の人間は極悪人なんだ。殺人ばかりしてきた奴らだ。だから
お仕置きしてるんだ。」朝日英雄「どうすれば解放できるんだ?いくら極悪人でも人形にする
なんてあんまりだ。彼らの魂にチャンスをあげ、救済する必要がある。どうすれば人形の魂は
解放されるんだ?」人形たちの攻撃を防ぎながら、ソウルブラウンに質問する朝日英雄。そのう
ち、人形の一体のキックが朝日英雄の腹に命中して、朝日英雄は吹っ飛んだ。朝日英雄「ぐあ!」
ソウルブラウンは炎のカミナリから解放された。ソウルブラウン「そうだ、もっとやれ。お前ら。
容赦なく叩き潰せ!!!」審査員たちは固唾を飲んで、戦いを見守っていた。朝日英雄「おい、
人形たち。こんな奴の言うことを聞く必要はない。俺が必ずお前らの魂を解放してやる。だから
そいつを裏切って、そいつを捕まえてくれ。」人形たちは聞く耳を持たずに、また突進してきた。
英雄「ソウルブラウンを倒せば、人形たちは動かなくなるのかも。」英雄はソウルブラウンに
炎のショットガンを放った。炎のショットガン、「ファイアーガン」は超高速で炎をショットガ
ンみたいに放つことができるものだ。ソウルブラウンは避けきれずに直撃して、気絶した。が、
人形たちはまだ動いたままで、攻撃してくる。英雄「どうする?炎で攻撃すれば人形はあとかた
もなく焼けてしまうが、中に閉じ込められた人間の魂まで苦しめてしまうかもしれない。それだ
けは避けたい。3体の人形の攻撃を避けていると、英雄はあることに気づく。英雄「あれ、なん
だこのお札は。このお札を剥がすことができたら、もしかしたら・・・。」英雄は人形たちの
お札を攻撃をかわしながら、弱い炎で人形本体を傷つけないように、お札に炎をぶつけ、3体の
人形についているお札を焼いた。すると、人形の動きが止まった。主のソウルブラウンは気絶。
人形も動きが止まり、朝日英雄の1回戦は勝利で幕を閉じた。人形たちをあずかり、もっていこ
うとすると、人形たちに閉じ込められていた3人の人間の魂が、英雄に「ありがとうございまし
た。助かりました。」とお礼を言っていると、ロカロから聞かされた。英雄「よかった。解放
されたみたいだな。やはりお札が魂を封じていたのか。」ロカロ「英雄、やるじゃん。炎の温度の
微調整や細かい攻撃もできるよになったんだね。トレーニングしたかいがあったね。」英雄「
当たり前じゃないか。俺を誰だと思っている。アハハハハ。」英雄は戦いが終わってプレッシャー
から短時間だが解放されて、笑顔がこぼれた。英雄「さっそく、チシュウに勝利を報告しよう。」
「好田大血VS角田アキコ」
好田大血の2回戦の相手は角田アキコという女だった。男みたいな口調で話してくる。
角田アキコ「好田、私はあんたのことが嫌いだから。倒せなくても傷一つはつけてやるから。」
好田大血「楽しみですね。さっさと始めましょうか。」審判「ピーーーー!試合開始!!!」
角田アキコ「うああああああああああああ!!!!!!」角田アキコは植物の妖精、グリーン
ペルを好田大血に投げつけた。すると、グリーンペルの体からたくさんのきれいな花々が咲き
みだれ、好田大血に絡みつきだした。好田大血の姿が見えなくなるくらい花々たちは好田大血の
体にまとわりつき、身動きできなくした。角田アキコ「どうだい、身動きできないだろ?だせえ
な?本当は弱っちいんじゃねえのか?お前?」すると、角田アキコのすぐ真後ろの死角から声
がした。「君は弱い!!!」すると、角田アキコの首の後ろに好田大血の手刀が一発入り、すぐ
に角田アキコは気を失い、試合は終了してしまった。一瞬だった。この大会では相手を殺すこと
は禁止されている。相手が「戦闘不能」「戦闘の意思の放棄」「棄権」などになったら勝利にな
る。角田アキコは泡を吹いて、失神して戦闘不能になったので、好田大血の勝利になった。
好田大血「私に傷一つつけれる人間など、この世に存在しない。」試合時間は2分59秒だった。
好田大血「もっと強い人間と戦いたいものだ。カルチャルよ。こんな弱い人間たちを倒したとこ
ろで楽しくもない。」カルチャル「好田様が強すぎるだけだと思います。いつか互角に戦い
あえる相手が見つかるといいですね。」好田大血「全くそのとおりだ。朝日英雄がどこまで強く
なるのかが一番の楽しみだ。まだまだひよっこだがな。」
処置室に運ばれた角田アキコは白目をむいて失神したままだった。友達のキャビンアテンダント
のアゲハがすぐさま駆け付けた。アゲハ「大丈夫?あんた?好田となんて勝てるわけないから
棄権すればよかったのにどうして無理したのよ?」アゲハが角田アキコの体を揺さぶり、無理に
角田アキコを起こした。角田アキコ「あああ、ここはどこだ?あれ?よお、アゲハ。
心配してきてくれたのか?好田と対戦したのは覚えているが、いきなり目の前が真っ暗になって
気が付いたら、今、ここにいたんだけど好田は負けたのかな?」アゲハ「バーカ!あんたが負け
たんだよ!!!失神させられたんだよ。3分くらいで試合終了だって。なんで棄権しなかった
のよ?勝てるわけないじゃない。私なら棄権するわよ?」角田アキコ「それじゃあ、来た意味な
いだろ?それに逃げてばかりじゃかっこ悪いし、気分も悪いし、成長しねえだろ?あたいだって
勝てないとは思っていたけど、逃げたくなかったんだよ。あの世界最優秀人類3連覇した好田
大血だぞ?戦えるなんて光栄だから、みすみすその権利を逃したりするわけねえだろ?」
アゲハ「プライドよりも自分の体を心配しなさいよ?満足したの?」角田アキコ「負けたのは
仕方ねえ。勝てるわけねえからな。99%負ける相手だった。だが、あたいは満足だぜ?逃げな
いで最強の敵に挑めた勇気と根性と度胸は自慢できるしな。胸を張れるよ。自分はすごいって。」
アゲハ「懲りないわね。あんた。いつか死ぬわよ?さあ、負けたけどあんたこれからどうするの?」
角田アキコ「腹減ったな~!!!!選手村でいっぱい、たらふくメシ食べに行こうぜ?」アゲハ
「あんたの度胸を買って、今日は私がおごってあげる。ちょうど給料日だし。」角田アキコ「
嬉しいな~!!!気前いいじゃねえか。」
チシュウが1回戦を終えた日の夜、朝日英雄の休憩室に向かった。チシュウ「よお、余裕だった
みたいだな?」英雄「チシュウ。余裕だったよ!キック一発食らったけどね。この大会は相手の
下見と情報収集が禁止されているから、なかなか緊張する戦いになるね。戦い方、戦法を即興で
考えなくてはいけないから、とても頭使うね。気を抜いていたらすぐにやられるかもしれない
から油断できないよ。」チシュウ「これからトモアロウを取りに行く!!!」英雄「えっ?
トモアロウって予言の書に出てきた救世主が悪を倒すために使う武器だよね?好田大血を
倒すとき使うとか。。だけど、好田大血は今回は倒さなくていいってことだったんじゃないの?
今回は好田大血にトップ・オブ・ザ・アースを優勝させて、5年間、地球は好田大血のものに
なるけれど、一度やり方や様子を見るということだって言っていたよね?」チシュウ「それが、
今回のこの大会で好田大血を倒しておきたくなったのだ。先延ばしはどんなときも最悪の結果
しか招かないからな。できることがあるならベストを尽くすことが大切だ。今から、伝説の
弓矢「トモアロウ」を入手するためにエジプトに向かう。次の戦いは3日後だからそれまでに
帰ってくればいい。厳重な警備をかいくぐり、神の弓矢「トモアロウ」を手に入れる。まあ、
とにかく挑戦してみよう。いろいろと秘策を考えてあるからな。
こうして、好田大血を今回の大会で倒すために必要な武器「トモアロウ」という神の弓矢を
入手するために、朝日英雄とロカロとチシュウは3人でエジプトのトモアロウが厳重に保管され
警備されている神殿へと向かった。そこは迷路のような神殿になっていた。何が出てくるか
分からないし、何が起こるか分からないが、リスクを取らないことがリスクという信条のもと、
3人は世界最高レベルの警備がひかれた神殿へと侵入するはずだった。
「神殿 エレバファクトリー」
エジプト大統領であるソルティック・バーバスはいきなり神の弓矢「トモアロウ」をエレバ
ファクトリーから自分のところに持ってくるようにトモアロウ最高管理責任者のアルバス・クック
に依頼した。厳重な世界最高レベルの警備が一時的に解かれ、トモアロウはアルバス・クックに
よって運ばれた。ライフル銃や武装した兵士50人体制で厳重に警備されていた。
アルバス・クックは世界最高の運び屋である「マイケル・フェスティバル」に
エジプト大統領のソルティック・バーバスの元へ運ぶように指示した。
取引場所はエジプトのナイル川の近くの誰もいない遺跡の中だった。
「おう、よく持ってきてくれた。マイケルよ。私は君を100%、いや、150%信頼している
つもりだ。今日もご苦労様だ。運び屋としての腕前で右に出るものは絶対にいない。」
ソルティックは運び屋のマイケルに報酬5500万を現金で渡した。
「それよりソルティック様。何故、トモアロウをいきなり自分で管理すると言い出したのです?
何か特別な理由でもあるのなら聞かせていただきたいのですが。」
「ああ、予言の書が本当ならこのトモアロウは3度目の救世主に渡すべきだと思ってな。その
救世主はもうすでにこの地球に誕生している。」
「それは誰ですか?」 「君の知らない奴だ。名前はトップシークレットなので教えられん。」
ソルティック・バーバスとマイケル・フェスティバルは元運び屋同士であり、元同僚でもあった。
トモアロウの移動は厳重に極秘に行われた。トモアロウが移動されたということは世界で5人
しか今のところ知らない。
ソルティック・バーバスはひとりになったところでいきなり変装を解いた。
「はあ、やはり変装は慣れてないな。もう13年ぶりくらいか?」 そう、トモアロウを自分の
ところに持ってくるようにみんなに指示したのはエジプト大統領ソルティック・バーバス本人で
はなく、ソルティックに変装したチシュウだったのだ。チシュウは英雄を呼んだ。
英雄「チシュウさん。変装なんかできるんですか?」チシュウ「私は地球外生命体、宇宙人で
あり、この地球の世界最高レベルの変装が子供の遊びに思えるくらい、更に高度な変装技術を
持っているのだ。」英雄「とにかく、これがトモアロウなんですね。七色に輝いていてレインボー
色になっていて、こんな美しい弓矢は今まで見たことがありません。」チシュウ「君が持っていて
くれ。私が持っていても意味がない。3人目の救世主は間違いなく君だ。いきなりあの世界最高
の宮殿に突撃して警備隊とやりあうのはいくらなんても無理だ。大事件になってしまう。だから
方法を考えたのさ。」英雄「頭いいですね。頼もしいな。」
取引が行われてから8時間後。
本物のソルティック・バーバス「なにーーー!!!トモアロウが移動されただと?誰もそんなこ
と依頼したことなどないぞ!!!誰の仕業だ?私の知らないところで、トモアロウを狙っている
奴がトモアロウを奪おうとしたということか?どうやったんだ?マイケル?君程の世界トップの
運び屋ですら、私に変装していた偽物だと気が付かなかったのか?」マイケル「申し訳ござい
ません。本物としか思えませんでした。変装なんて微塵も思えませんでした。私の不注意です。
奴らは超高度な変装技術を持っているようです。いくらなんでもトモアロウが管理されている
宮殿からあれだけの警備をかいくぐり、トモアロウを入手するのは不可能とふんで、違う方法を
考えたのでしょう。偽物からもらった報酬は全額、あなたに渡します。」
ソルティック・バーバス「その報酬はいらん。君が好きに使いたまえ。そうか。まあ、あれは・・・
」トモアロウを奪われたエジプト大統領、ソルティック・バーバスは余裕そうな表情をしていた。
アマゾン空港へ、あと15分くらいで到着します。そろそろ、荷物を整理して、降りる準備をし
てください。」英雄「やっと着いた。長かったな。結構、飛行機に長時間いるというのも辛い
ものなんだな。いい勉強になった。」ロカロ「やっと世界一の森林、アマゾンが見られるんです
ね。さぞかし、空気が新鮮で美味しいのだろうな。楽しみだ。」朝日英雄、ロカロ、チシュウ、
ジュリー、ソルキーライチは一緒に集団で動いていたが、好田大血は一人で単独で動いていた。
しかし、あまりに優秀で美形なため、常に女子に付きまとわれたりしていた。ある女子「好田
さん、バレンタインチョコ、最高どれくらいもらったことあるんですか?」好田大血「4000
個くらいかな。しかし、食べきれないから日本のホームレスに配ったりしたりしましたよ。」
ある女子「まあ、困っている人を助けたってことですよね。さすが出来る男は違いますね。」
アゲハ「ちょっと、あなた。私の好田大血さんに近寄らないでよ。」ある女子「あっ、この子
私のキャビンアテンダントの同僚なんですよ!!!うるさいよ、アゲハ。あなたなんか相手にさ
れるわけないでしょ。私こそ、好田さんにふさわしい女よ。大体、あなた英雄って子に惚れてた
んじゃないの?あきらめたの?」アゲハ「ダメだったのよ。振られたに決まってんでしょ?」
好田さん、私が会場まで案内しますからね。」好田大血「自分で行けるからご心配なく。それよ
り、キャビンアテンダントの仕事はどうしたんですか?」アゲハ「もうさっきのフライトで今日
は終わり。明日から休日に入るんですよ。」好田大血「大会が終わったら一緒にワインでも飲み
ましょう。アゲハさん。これ、私の携帯の電話番号です。」アゲハ「ありがとうございます。
この御恩は一生忘れませんわ!!!」ある女子「あ~、アゲハだけずるい!!!わたしも~。」
というように好田大血の周りは常に女子が群がっていた。同性からも人気があるので、男のファ
ンもいた。好田大血ファンクラブというものが世界的に有名であり、全世界の会員数は1500
万人を超える。一人、毎月1000円の会員料を払う代わりに、好田大血の日常が描かれたブログ
が見れたり、その会員しか買えない好田グッズなどが買えるようになる。なお、好田大血に
払われた会員料、年間1800億円で好田大血はアフリカに学校を建設したり、キレイな飲める
水を利用できるようにするために井戸を掘ったり、社会貢献に余念がない。しかし、裏の顔は
・・・。
スタッフの方が大きな声で号令を出し、闘技場へと案内し、アマゾン森林とはいえ、舗装され、
歩きやすく、移動しやすいようになっていた。とはいえ、たくさんの緑が予選通過者の心を
癒したことに変わりなかった。車もたくさん走っている。1時間ほど歩くと、東京ドームを
更にカラフルにおしゃれにした感じの丸い建物が見えてきた。屋根が開くように設計されていて
晴天の日には屋根が開かれて、それで予選通過者たちが戦闘を繰り広げるという。
すぐに待合室に予選通過者120人が案内され、対戦表が配られた。第1シードが好田大血で
あった。7回連続で勝てれば優勝ということになる。1回でも負けたら、敗退となってしまう
厳しいルールになっていた。朝日英雄は6番目に1回戦が始まる。対戦相手は「ソウルブラウン」
というやつだった。予選通過者全員に大会エントリーナンバーがあり、朝日英雄は77番だ。
明日から、1回戦が始まるので、ひとりひとり休憩室が用意されているので、早めに休憩する
ことにした。ちなみに、相手の情報集めは禁止されている。相手の対戦を見ることすら禁止
されている。自分
から近づいていって、情報を得るのも禁止されている。なるべく、初めて相手に会った時に
何も相手の情報を知らない中、どう対処するかという対処する力を計るためだ。ちなみに、
「特別審査員賞」というものがあって、たとえ戦闘に負けてしまっても、審査員に高く評価され
可能性があると判断された参加者は、敗者復活し、新たに大会に挑める権利が与えられる。
朝日英雄はひとり、休憩室で日記を書いていた。日々の感想や出来事を書く日記、思ったこと、
役に立ちそうな思考法などをノートに書くのが毎日の習慣になっていて、とてもお気に入りの
時間でもあるのだ。英雄は好田大血にすこし嫉妬していた。裏の顔はともかく、とても好青年
に見えて、拍子抜けしてしまったのだ。本当に自分が世界の王になるべきなのか?あれだけ優秀
な好田にやらせておけば間違いないんじゃないのか?チシュウから聞いた通り、本当に黒人を
奴隷にしようとしたり、悪い宇宙人たちと協力して、悪の組織、ダルメシアのトップとして
ダルメシアの勢力を強め、世界制覇を狙っているという話は正しいのだろうか?
英雄なりにいろいろと思考していた。本当に自分が3度目の救世主として世界を統一するなんて
今でも信じられない。と思っていた。すると、ロカロ「君が世界の救世主ということは間違い
ない事実だよ。実は君は・・・この全宇宙を創造した神様そのものなんだよ。だから、霊格が
全宇宙1位だったんだ。君は宇宙最大の神ってこと。死んで霊界に行けば全てがわかるよ。これ
を話すのはチシュウさんから止められているけど、自信を無くしてはこれからの大会に悪影響だ
から教えておくけど。」英雄「えっ、僕が宇宙の神だって?そんなの信じられるハズ無いじゃん。」
ロカロ「でも、本当のことなんだよ。この地球に転生するときに記憶を一時的に封印されてしま
うから、自分が宇宙の一番すごい神様だって信じられない気持ちはとてもよく分かるけど、君、
朝日英雄は好田大血と兄弟の仲なんだよ。実は、好田大血も宇宙最大の神の一人なんだ。この
全宇宙には神様が2人いたということ。その2人は兄弟で、しかもそれが、朝日英雄と好田大血と
いうこと。あの君が倒すべき男は兄弟だったってこと。好田が兄で、君が弟なんだ。」すると
チシュウが瞬間移動して現れた。チシュウ「やれやれ、知ってしまったか。しかし、いつか話す
ことになっていたからな。仕方ないか。」ロカロ「チシュウさん、ごめんなさい。」ロカロは
申し訳ない表情でチシュウに謝った。チシュウ「いや、いいんだ。しかし、英雄があまりに衝撃
な大きすぎる事実に混乱して、戦闘どころじゃなくならないか心配なだけだ。」英雄「もう、
わけわかんない。また、長い夢でも見てるのかな?アニメの世界にいるみたいだ。」チシュウ
「いずれ、知らなくてはいけない現実なんだ。もう、退くことは許されない。君はとても大きな
使命があるんだ。世界一大きな使命が。」英雄「ひとりにさせてくれ。」ロカロとチシュウは
英雄の願いを聞き入れて、英雄をしばらく一人にしてあげた。英雄「まいったな。とんでもない
ことに巻き込まれた気がするよ。」英雄は自分の正体に身震いして、怖くなった。
翌朝の8時に英雄は目を覚ました。そわそわしていたが、精神的に疲れていたので熟睡できた。
そして、部屋に暖炉があったので暖炉の木にロカロの炎の能力で火をつけたり、火事にならない
ように注意しながら戦いの準備をしていた。そして、ついに「朝日英雄」VS「ソウルブラウン」
との対戦開始10分前を通知する電話が入った。参加者全員に銀の腕時計が用意され、渡されて
いて、それで「トップ・オブ・ザ・アース開催委員会」から電話やメールなどで連絡が入るよう
になっている。英雄「闘技場の戦闘フロアへと移動してください。だとよ。ロカロ。」ロカロ
「緊張するね。」英雄はチシュウに連絡しないで、ロカロと2人で戦闘フロアへと向かった。
「朝日英雄」VS「ソウルブラウン」
戦闘フロアに入ると、すでにソウルブラウンは戦闘準備が完了していた。ソウルブラウン「
遅いな。予選1位だったらしいな。朝日さんよ。しかし、戦闘に関しては予選の成績は全く関係
ないのは分かっているよな?」英雄「いいから、早く始めようぜ。めんどくさい話は嫌いなんだ
よ。雑魚野郎?」ソウルブラウン「雑魚だって?雑魚って言ったな!!!!」ソウルブラウンは
いきなり怒りだし、突進してきた。ソウルブラウン「死ね!!!!」ソウルブラウンは光の
速さのパンチを繰り出した。しかし、朝日英雄の炎の妖精、ロカロのファイヤーガードでパンチ
はガードされた。ソウルブラウン「あちいあちいあちいあちい!」ソウルブラウンはパンチしよ
うとした手は火傷みたいになった。ソウルブラウン「炎の能力者か。」ソウルブラウンはなに
やら両手を合わせ、祈り始めた。「世界の神よ。我に栄光と力を授けたまえ。」すると、いき
なりソウルブラウンのバッグから人形が3体現れた。その人形が徐々に巨大化していき、朝日
英雄の2倍くらいの大きさになった。3体の人形は主のソウルブラウンにより魂を入れられ、
部下になっていたのだ。3体とも可愛い子供の風貌をしていた。ソウルブラウンの命令により、
武器も何も持たずに突進してきた。朝日英雄「ちょうどいい。オレの格闘技がどれだけ通用する
か、確かめてみよう。」3体の操られた人形には英雄は炎により傷つけ
たくなかったのだ。3体は英雄を取り囲むように後ろに回ったりしてきて、一斉に攻撃してき
た。武器は一切持ってない。格闘技だけで挑んできた。英雄は「防御し、攻撃を防ぎまくった。
しかし、攻撃はしない。人形を止めるにはソウルブラウンを止めなくてはならない。朝日英雄は
人形たちの攻撃をガードしながら、ソウルブラウンに近づき、炎のカミナリを放った。すると、
ソウルブラウンは防ぎきれずに、もろに炎のカミナリが直撃した。ソウルブラウンは熱さで
また悲鳴を上げた。「熱い!!!!」朝日英雄「ソウルブラウン、人形たちを止めないと、徐々
に炎の温度を上げていき、気絶させるぞ?早く人形たちを解放しろ?」ソウルブラウン「その
人形には人間の魂が閉じ込められている。俺が閉じ込めたんだ。俺は霊能力者でな。俺を気絶
させても人形を救うことはできない!!!」朝日英雄「何故、人間の魂を閉じ込めたりするんだ?」
その3体の人形たちに閉じ込めた魂の人間は極悪人なんだ。殺人ばかりしてきた奴らだ。だから
お仕置きしてるんだ。」朝日英雄「どうすれば解放できるんだ?いくら極悪人でも人形にする
なんてあんまりだ。彼らの魂にチャンスをあげ、救済する必要がある。どうすれば人形の魂は
解放されるんだ?」人形たちの攻撃を防ぎながら、ソウルブラウンに質問する朝日英雄。そのう
ち、人形の一体のキックが朝日英雄の腹に命中して、朝日英雄は吹っ飛んだ。朝日英雄「ぐあ!」
ソウルブラウンは炎のカミナリから解放された。ソウルブラウン「そうだ、もっとやれ。お前ら。
容赦なく叩き潰せ!!!」審査員たちは固唾を飲んで、戦いを見守っていた。朝日英雄「おい、
人形たち。こんな奴の言うことを聞く必要はない。俺が必ずお前らの魂を解放してやる。だから
そいつを裏切って、そいつを捕まえてくれ。」人形たちは聞く耳を持たずに、また突進してきた。
英雄「ソウルブラウンを倒せば、人形たちは動かなくなるのかも。」英雄はソウルブラウンに
炎のショットガンを放った。炎のショットガン、「ファイアーガン」は超高速で炎をショットガ
ンみたいに放つことができるものだ。ソウルブラウンは避けきれずに直撃して、気絶した。が、
人形たちはまだ動いたままで、攻撃してくる。英雄「どうする?炎で攻撃すれば人形はあとかた
もなく焼けてしまうが、中に閉じ込められた人間の魂まで苦しめてしまうかもしれない。それだ
けは避けたい。3体の人形の攻撃を避けていると、英雄はあることに気づく。英雄「あれ、なん
だこのお札は。このお札を剥がすことができたら、もしかしたら・・・。」英雄は人形たちの
お札を攻撃をかわしながら、弱い炎で人形本体を傷つけないように、お札に炎をぶつけ、3体の
人形についているお札を焼いた。すると、人形の動きが止まった。主のソウルブラウンは気絶。
人形も動きが止まり、朝日英雄の1回戦は勝利で幕を閉じた。人形たちをあずかり、もっていこ
うとすると、人形たちに閉じ込められていた3人の人間の魂が、英雄に「ありがとうございまし
た。助かりました。」とお礼を言っていると、ロカロから聞かされた。英雄「よかった。解放
されたみたいだな。やはりお札が魂を封じていたのか。」ロカロ「英雄、やるじゃん。炎の温度の
微調整や細かい攻撃もできるよになったんだね。トレーニングしたかいがあったね。」英雄「
当たり前じゃないか。俺を誰だと思っている。アハハハハ。」英雄は戦いが終わってプレッシャー
から短時間だが解放されて、笑顔がこぼれた。英雄「さっそく、チシュウに勝利を報告しよう。」
「好田大血VS角田アキコ」
好田大血の2回戦の相手は角田アキコという女だった。男みたいな口調で話してくる。
角田アキコ「好田、私はあんたのことが嫌いだから。倒せなくても傷一つはつけてやるから。」
好田大血「楽しみですね。さっさと始めましょうか。」審判「ピーーーー!試合開始!!!」
角田アキコ「うああああああああああああ!!!!!!」角田アキコは植物の妖精、グリーン
ペルを好田大血に投げつけた。すると、グリーンペルの体からたくさんのきれいな花々が咲き
みだれ、好田大血に絡みつきだした。好田大血の姿が見えなくなるくらい花々たちは好田大血の
体にまとわりつき、身動きできなくした。角田アキコ「どうだい、身動きできないだろ?だせえ
な?本当は弱っちいんじゃねえのか?お前?」すると、角田アキコのすぐ真後ろの死角から声
がした。「君は弱い!!!」すると、角田アキコの首の後ろに好田大血の手刀が一発入り、すぐ
に角田アキコは気を失い、試合は終了してしまった。一瞬だった。この大会では相手を殺すこと
は禁止されている。相手が「戦闘不能」「戦闘の意思の放棄」「棄権」などになったら勝利にな
る。角田アキコは泡を吹いて、失神して戦闘不能になったので、好田大血の勝利になった。
好田大血「私に傷一つつけれる人間など、この世に存在しない。」試合時間は2分59秒だった。
好田大血「もっと強い人間と戦いたいものだ。カルチャルよ。こんな弱い人間たちを倒したとこ
ろで楽しくもない。」カルチャル「好田様が強すぎるだけだと思います。いつか互角に戦い
あえる相手が見つかるといいですね。」好田大血「全くそのとおりだ。朝日英雄がどこまで強く
なるのかが一番の楽しみだ。まだまだひよっこだがな。」
処置室に運ばれた角田アキコは白目をむいて失神したままだった。友達のキャビンアテンダント
のアゲハがすぐさま駆け付けた。アゲハ「大丈夫?あんた?好田となんて勝てるわけないから
棄権すればよかったのにどうして無理したのよ?」アゲハが角田アキコの体を揺さぶり、無理に
角田アキコを起こした。角田アキコ「あああ、ここはどこだ?あれ?よお、アゲハ。
心配してきてくれたのか?好田と対戦したのは覚えているが、いきなり目の前が真っ暗になって
気が付いたら、今、ここにいたんだけど好田は負けたのかな?」アゲハ「バーカ!あんたが負け
たんだよ!!!失神させられたんだよ。3分くらいで試合終了だって。なんで棄権しなかった
のよ?勝てるわけないじゃない。私なら棄権するわよ?」角田アキコ「それじゃあ、来た意味な
いだろ?それに逃げてばかりじゃかっこ悪いし、気分も悪いし、成長しねえだろ?あたいだって
勝てないとは思っていたけど、逃げたくなかったんだよ。あの世界最優秀人類3連覇した好田
大血だぞ?戦えるなんて光栄だから、みすみすその権利を逃したりするわけねえだろ?」
アゲハ「プライドよりも自分の体を心配しなさいよ?満足したの?」角田アキコ「負けたのは
仕方ねえ。勝てるわけねえからな。99%負ける相手だった。だが、あたいは満足だぜ?逃げな
いで最強の敵に挑めた勇気と根性と度胸は自慢できるしな。胸を張れるよ。自分はすごいって。」
アゲハ「懲りないわね。あんた。いつか死ぬわよ?さあ、負けたけどあんたこれからどうするの?」
角田アキコ「腹減ったな~!!!!選手村でいっぱい、たらふくメシ食べに行こうぜ?」アゲハ
「あんたの度胸を買って、今日は私がおごってあげる。ちょうど給料日だし。」角田アキコ「
嬉しいな~!!!気前いいじゃねえか。」
チシュウが1回戦を終えた日の夜、朝日英雄の休憩室に向かった。チシュウ「よお、余裕だった
みたいだな?」英雄「チシュウ。余裕だったよ!キック一発食らったけどね。この大会は相手の
下見と情報収集が禁止されているから、なかなか緊張する戦いになるね。戦い方、戦法を即興で
考えなくてはいけないから、とても頭使うね。気を抜いていたらすぐにやられるかもしれない
から油断できないよ。」チシュウ「これからトモアロウを取りに行く!!!」英雄「えっ?
トモアロウって予言の書に出てきた救世主が悪を倒すために使う武器だよね?好田大血を
倒すとき使うとか。。だけど、好田大血は今回は倒さなくていいってことだったんじゃないの?
今回は好田大血にトップ・オブ・ザ・アースを優勝させて、5年間、地球は好田大血のものに
なるけれど、一度やり方や様子を見るということだって言っていたよね?」チシュウ「それが、
今回のこの大会で好田大血を倒しておきたくなったのだ。先延ばしはどんなときも最悪の結果
しか招かないからな。できることがあるならベストを尽くすことが大切だ。今から、伝説の
弓矢「トモアロウ」を入手するためにエジプトに向かう。次の戦いは3日後だからそれまでに
帰ってくればいい。厳重な警備をかいくぐり、神の弓矢「トモアロウ」を手に入れる。まあ、
とにかく挑戦してみよう。いろいろと秘策を考えてあるからな。
こうして、好田大血を今回の大会で倒すために必要な武器「トモアロウ」という神の弓矢を
入手するために、朝日英雄とロカロとチシュウは3人でエジプトのトモアロウが厳重に保管され
警備されている神殿へと向かった。そこは迷路のような神殿になっていた。何が出てくるか
分からないし、何が起こるか分からないが、リスクを取らないことがリスクという信条のもと、
3人は世界最高レベルの警備がひかれた神殿へと侵入するはずだった。
「神殿 エレバファクトリー」
エジプト大統領であるソルティック・バーバスはいきなり神の弓矢「トモアロウ」をエレバ
ファクトリーから自分のところに持ってくるようにトモアロウ最高管理責任者のアルバス・クック
に依頼した。厳重な世界最高レベルの警備が一時的に解かれ、トモアロウはアルバス・クックに
よって運ばれた。ライフル銃や武装した兵士50人体制で厳重に警備されていた。
アルバス・クックは世界最高の運び屋である「マイケル・フェスティバル」に
エジプト大統領のソルティック・バーバスの元へ運ぶように指示した。
取引場所はエジプトのナイル川の近くの誰もいない遺跡の中だった。
「おう、よく持ってきてくれた。マイケルよ。私は君を100%、いや、150%信頼している
つもりだ。今日もご苦労様だ。運び屋としての腕前で右に出るものは絶対にいない。」
ソルティックは運び屋のマイケルに報酬5500万を現金で渡した。
「それよりソルティック様。何故、トモアロウをいきなり自分で管理すると言い出したのです?
何か特別な理由でもあるのなら聞かせていただきたいのですが。」
「ああ、予言の書が本当ならこのトモアロウは3度目の救世主に渡すべきだと思ってな。その
救世主はもうすでにこの地球に誕生している。」
「それは誰ですか?」 「君の知らない奴だ。名前はトップシークレットなので教えられん。」
ソルティック・バーバスとマイケル・フェスティバルは元運び屋同士であり、元同僚でもあった。
トモアロウの移動は厳重に極秘に行われた。トモアロウが移動されたということは世界で5人
しか今のところ知らない。
ソルティック・バーバスはひとりになったところでいきなり変装を解いた。
「はあ、やはり変装は慣れてないな。もう13年ぶりくらいか?」 そう、トモアロウを自分の
ところに持ってくるようにみんなに指示したのはエジプト大統領ソルティック・バーバス本人で
はなく、ソルティックに変装したチシュウだったのだ。チシュウは英雄を呼んだ。
英雄「チシュウさん。変装なんかできるんですか?」チシュウ「私は地球外生命体、宇宙人で
あり、この地球の世界最高レベルの変装が子供の遊びに思えるくらい、更に高度な変装技術を
持っているのだ。」英雄「とにかく、これがトモアロウなんですね。七色に輝いていてレインボー
色になっていて、こんな美しい弓矢は今まで見たことがありません。」チシュウ「君が持っていて
くれ。私が持っていても意味がない。3人目の救世主は間違いなく君だ。いきなりあの世界最高
の宮殿に突撃して警備隊とやりあうのはいくらなんても無理だ。大事件になってしまう。だから
方法を考えたのさ。」英雄「頭いいですね。頼もしいな。」
取引が行われてから8時間後。
本物のソルティック・バーバス「なにーーー!!!トモアロウが移動されただと?誰もそんなこ
と依頼したことなどないぞ!!!誰の仕業だ?私の知らないところで、トモアロウを狙っている
奴がトモアロウを奪おうとしたということか?どうやったんだ?マイケル?君程の世界トップの
運び屋ですら、私に変装していた偽物だと気が付かなかったのか?」マイケル「申し訳ござい
ません。本物としか思えませんでした。変装なんて微塵も思えませんでした。私の不注意です。
奴らは超高度な変装技術を持っているようです。いくらなんでもトモアロウが管理されている
宮殿からあれだけの警備をかいくぐり、トモアロウを入手するのは不可能とふんで、違う方法を
考えたのでしょう。偽物からもらった報酬は全額、あなたに渡します。」
ソルティック・バーバス「その報酬はいらん。君が好きに使いたまえ。そうか。まあ、あれは・・・
」トモアロウを奪われたエジプト大統領、ソルティック・バーバスは余裕そうな表情をしていた。