溺愛砂漠 ~デザートローズ~
父親と恋人が殺し合いになったらどうする?
見えない指鉄砲を、意地悪くその胸の真ん中に突き付けて。

「美樹は僕のお嫁さんになるの嫌?」

「あたしだって廉とずっと一緒にいたい・・・っ」

手足を動かせない体勢で首を大きく左右に振る君。最後は涙声を詰まらせた。

「ん・・・僕もだよ。愛してる美樹」

顔を寄せ。柔らかくて温かい唇を舐め取って、食んで。舌で優しくこじ開けて中を浸食し尽くす。雑ざり合う唾液が甘い。・・・うん、そう。零さず飲み下して?僕のだから。

従順な美樹。僕に逆らえない可愛い美樹。もうちょっとだよ。その羽根を千切ったら終わるよ。

痛かったら泣いていいよ、我慢しないでいい。大丈夫。飛べなくなるだけ、ここからどこにも。
< 10 / 22 >

この作品をシェア

pagetop