溺愛砂漠 ~デザートローズ~
「縛ったりしてごめんね。正直に話したら、負い目を感じて美樹が一人でいなくなるかもしれないって怖かったんだよ・・・」

逃げ出した君を追いかけて、どうにかしちゃうのが怖かったんだよ。

涙でぐちゃぐちゃになった君の顔中にキスの雨を降らせ。羽根をもいだその傷口を優しく舐め取ってく。紅く引き攣れたその傷口をなぞってあげる。・・・愛欲と快楽で痛みが麻痺するまで。




啼き疲れて眠る美樹の額にそっと口付けた。

まだ始まってもいないよ僕達は。
君は思い知る。
愛なんかじゃどうにもできない現実を。
だから僕はね。

美樹に寄り添い、温もりに埋もれて微睡む。少しだけ渇きの癒えた心地で。


・・・・・・ねぇ美樹。千切った羽根は大事にしまっておくよ。どこへも飛べない自分を君が何度でも思い出せるように。傷の痛みを憶えてられるように。




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