溺愛砂漠 ~デザートローズ~
優しいミキ。僕の心配してくれてる。どうやって助かろうか必死に考えてる。

でもね連れてこられたんじゃないよ?僕が連れてきたんだよ。あのイタリアンダイニングでカクテルに薬を混ぜておいたら、車の助手席で気持ちよさそうに眠ってた。

「山の中の別荘で他には誰もいないよ。ごめんね、目隠し取ってあげたいけど、あんまり顔を見られたくないから」

「え・・・?」

「もう少しそのままで話をしよう」

訳が分からずに惑う君。

だって極上の気分なんだ。ミキの全部を根こそぎ引き摺り出したくてしょうがない。こんな僕は嫌いになるかな、見せたいな。でも見せない。

特別な夜だからゆっくり味わいたいんだよ。・・・本当はね。
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