溺愛砂漠 ~デザートローズ~
「あのね。ずっと考えてたんだ」

唐突に僕は言う。

「ミキを離さないでいられる方法」

少し半開きになった君の唇を人差し指と中指でそっとなぞりながら。

「結ばれない運命って言われても、どうだっていい」

君が顔ごと逸らそうとしたのを顎の下を捕まえた。

「見くびっちゃダメだよ?僕はそんなロマンティストじゃないから」

そして口付ける。君の柔らかい下唇に。

「どうだっていいよ。ミキのお父さんが本当は、あのアキツ組の偉い人だとかそんなことは、どうでも」
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